女性と漢方の話【婦人科がんの後遺症 もしくは 更年期症状や月経前症候群など】 〈日産婦学会2022より〉
訪問してくださり、ありがとうございます!!
まずはじめに、注意書きです。
私は医療従事者ですが、医師でも薬剤師でもありません。従って、治療方法やお薬のことを書きますけれど、診断できるわけでもありませんし、指導できるわけでもありません。あくまでも学術講演会に参加した勉強の成果(?)を述べているだけです。
自分自身や周囲の方の治療法などについては、あくまでも担当の医師や薬剤師等にご相談の上、治療や経過観察を続けてくださいね。
さて、前回の日産婦学会報告の最後に書きました。
ransounoushu-chiryo.hatenablog.com
私は以前所属していた大学病院が漢方外来があったために、漢方の先生から学ぶ機会も多かったのですが、今回の日産婦も漢方のお話がありました。
私たち婦人科がん(卵巣がんや子宮がん、卵管がん等)患者さんの多くは、いきなり卵巣を摘出しているので、更年期症状が出てくることがあることは皆さん良くご存じかと思います。
そして、婦人科がんに罹患していなくても、女性のライフスタイルのなかで、月経前に頭痛や腹痛イライラなどが訪れる「月経前症候群(PMS)」を感じたり、40代ぐらいから更年期症状を感じたりします。
もちろん、鎮痛剤などのお薬も使用すると思いますが、漢方で改善することができる可能性もあるのがこれらの症状です。
特に、卵巣がん患者さんは、ホルモン的な背景からホルモン補充療法を受けられず、更年期症状を感じても我慢したりだとか、何とか自然な方法で回避しようということが少なからずあるかもしれません。
そこで、漢方の登場ってわけなんです。漢方なら即効性はないかもしれませんが、各症状が改善するかもしれない。もしかしたら本当にパッと治るかもしれない。
ドラッグストアにもネットにも売っている漢方ですが、出来たら漢方は医師に相談して処方してもらうのが一番だと思います。的確に診断して処方してくださいますから。
とはいえ、どんな漢方があるのか知っておいても損はないですよね。
そんなわけで、今回は日産婦学会で私が聞いてきた漢方のお話を紹介したいと思います!!
まずは女性に処方されることが多い三大漢方から。
①当帰芍薬散:月経不順、月経困難、頭重、頭痛、めまい、手足の冷え、むくみがその対象です。これを飲むとポカポカするって感じる人がいるみたいです。だから「冷え」を感じやすい人は処方してもらうと良いかも。
②加味逍遥散: のぼせ、発汗異常、肩こり、頭痛、便秘、イライラ、不安不眠、月経不順、月経困難…PMS+更年期障害のファーストチョイスの漢方だそうですよ!!
③ 桂枝茯苓丸: 舌下静脈の怒張、頭痛、めまい、肩こり、月経不順、月経困難、しもやけやシミにも
→私は子宮内膜症の手術前後で飲んでいました。比較的飲みやすかったかなぁ、と思ってます。
↑上記三大漢方以外の漢方も掲げてくださっていました。「三大漢方の次の一手」です!!↓
④桃核承気湯(とうかくじょうきとう):月経困難、便秘、イライラに効くそうですが、便秘に効くので逆に下痢になりやすいらしいのが注意点らしいですよ。
⑤白虎加入参湯(びゃっこかにんじんとう): 更年期ののぼせを取りたいときのお守りがわりだそうです。口渇や糖尿病にも効くそうです。すごいなぁ…
⑥黄連解毒湯(おうれんげどくとう):更年期症状で顔が真っ赤でのぼせている人、とにかくホットフラッシュに効く。熱を冷ます、イライラ、高血圧、アトピーなどの皮膚炎にも効果があるそうです。
私、ホットフラッシュだけでなくアレルギー性皮膚炎があるので、コレ飲んでみたいです。
⑦半夏白朮天麻湯 (はんげびゃくじゅつてんまとう):めまい、頭痛、胃腸が弱い人に。PMS+ピルの導入時の吐き気などに効きやすいそうですよ。
⑧抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ):イライラ、不眠、緊張感の強い人が主に。手足の冷えなどはあれど、他の主な症状がない方に良いそうです。
⑨加味帰脾湯(かみきひとう):不眠、不安、全身倦怠感、食欲不振、疲れ切って夜も眠れない人を前向きにしてくれるそうですよ!
⑩柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう):不眠、精神不安、更年期の動悸を訴える人に有効、体力がある方向けです。
⑪桂皮加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう):柴胡加竜骨牡蛎湯に対して、こちらは身体が弱い人の不眠、不安に効くそうです。
⑫半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう):実はコロナ渦で一番売れたものだそうです。:ストレスがかかった時にのどの異物感や詰まった感じを取ってくれる漢方です。
かなりの種類の漢方が出てきましたね。
女性はとにかく忙しい。朝から寝る迄やることがいっぱいあるので、習慣的に漢方を飲み続けることが難しい、と言う方が多くいるそうです。
でも、漢方は、気楽に、飲み忘れてもよいからという気持ちで、まずは1か月や1日2回でも良いから、食事の前後など気にせずに(本当はダメだけれども)、家族が寝静まってからとか、自分の用意ができるときにサッとお水で飲んでみる。…と言う事を心がけてほしいそうです。
また、副作用をあまり気にせずに飲むことも大切なのだとか。
飲みにくい漢方ですが「湯」と付いているのはお湯で溶かすと飲みやすいから試してみてと、言われたことがありますよ。
でもって、私が何を飲んでいるか?というと、いろいろ混ざっているコレです↓
↑
子宮内膜症、チョコレート嚢胞由来の卵巣がんなのでホルモン補充は難しいけれど、市販のコレなら飲んで良いよ、とDr.から言われたので飲み続けています。
おかげさまで、卵巣欠乏症、更年期症状はかなり抑えられていると思いますよ〜。
少しでも皆さんが健やかな毎日を過ごせますように。
婦人科ガンは検診プラス検査が大事。
でも、ガンでなくてもさまざまな女性の症状が漢方で落ち着いたら嬉しいですね!!
ではでは、今日はこの辺で。