婦人科勤めの私が婦人科に入院手術したら卵巣ガンだったお話

婦人科勤務の私が婦人科に入院手術そして卵巣がんの治療を受けた話を綴ります。

日本産科婦人科学会 学術講演会に参加しました。<学会報告>

またまたしばらくぶりの記事になってしまいました( ;∀;)

そして、訪問ありがとうございます(/・ω・)/

 

前回は、日本婦人科腫瘍学会に参加しますという記事を書いたのですが・・・

ransounoushu-chiryo.hatenablog.com

 

今回は日本産科婦人科学会(通称:日産婦 にっさんぷ)の学術講演会にライブ配信およびオンデマンド配信にて出席しました。

例によって、コメディカルとして格安チケットをゲットしてでの参加デス( ̄▽ ̄)

第74回 日本産科婦人科学会 学術講演会



今回は産婦人科の学会なので、私の関係する分野の講演も沢山あります。

そう、産科も婦人科も・・・お産も婦人科疾患も不妊治療も、すべての産婦人科に関する一番大きな学会が開催されました。

 

ライブ配信のみのものもありましたが、卵巣がん治療の詳細や手術方法、そして再発卵巣がんの治療については(自分の分野よりも力を込めて)なるべく聴講しました。

 

ここで注意書きです。

私は医療従事者ですが、医師でも薬剤師でもありません。従って、治療方法やお薬のことを書きますけれど、診断できるわけでもありませんし、指導できるわけでもありません。あくまでも学術講演会に参加した感想、勉強の成果(?)を述べているだけです。

自分自身や周囲の方の治療法などについては、あくまでも担当の医師にご相談の上、治療や経過観察を続けてくださいね。

 

 

・・・というわけで、日産婦でお勉強したことを書いておきます!!

とにかく、卵巣がん治療について言えること

 手術が第一!!とにかく手術ですべての腫瘍を取り除くことが大切!!

・・・これは、先日参加した婦人科腫瘍学会でも感じた想いです。

手術は私たち患者からすると先生にお任せするしかありません。完全にまな板の上の鯉。

だからこそ、信頼できる先生に、信じて身をゆだねて臨む。それが手術ですね。

 

たとえば、stage IIIの患者さんで腫瘍が残ってしまった手術と、stage IVの患者さんで完全に腫瘍を取り除けた手術は、ほぼ同義語なんだそうですよ。

それぐらい、手術って本当に大切なんですって。

 

また、今、維持療法で使われている各お薬についても勉強しました。

  • BEV ( ベバシズマブ:アバスチン):消化管穿孔や高血圧になりがち
  • Ola  (オラパリブ:リムパーザ):BRCA陽性で使用するが貧血が強く出る
  • Nira (ニラパリブ:ゼジューラ):血小板減少の副作用が多い

すでにこれらのお薬を使用されている方も多いかと思います。

この3種類が使えるようになってから、それまで生存率が低かった卵巣がんの患者さんも劇的に生存率が上がったと言われるほどだそうです。

 

卵巣がんの治療の中で、手術とTC療法の抗がん剤治療のあとに行う維持療法。それぞれの組み合わせで効果的に治療を進めるそうです。

また、再発した場合もこれらの組み合わせによって使い分けを行うのだとか。

例えば・・・

①手術+TC療法+ゼジューラで維持療法→再発したらアバスチン→→再再発したらリムパーザ

②手術+TC療法+ゼジューラで維持療法→再発したらリムパーザ→→再発したらアバスチン

③手術+TC療法+アバスチンで維持療法→再発したらゼジューラ+リムパーザ→→再発したらリムパーザ

などなど・・・という構図があるそうですよ。

(・_・D フムフム。いろいろな組み合わせで再発しても対応できそうですね。

 

ちなみに、卵巣がんの再発率は

stage I, II: 10-20% /  stage III: 50%以上 / stage IV: 70%以上と推定されています。

でも、あくまでも確率は確率ですから、自分がどうなるかはホントわからない。

stage I でもすぐに再発してしまう人がいる一方で、stage IVだって再発しない人、もちろんいらっしゃるんですもん。

 

また、再発卵巣がんの場合は、横隔膜や腸管を摘出するようなアグレッシブな手術をして残存腫瘍が0になれば生存率は有意に高くなるそうです。でも、腫瘍が残ってしまう場合は、、、、、手術をしないほうが良かったね、という場合もあるそうorz...

 

最近は、再再発卵巣がんの再々手術についても報告があるらしく、手術は本当に大切な要因です。

 

私が罹患した明細胞癌についてですが、リンパ節郭清を行ったほうが良いか否かの臨床試験 (Lymphadenectomy in ovarian neoplasms: LION試験)を行ったところ、stage III, IVは郭清したほうが良いという結果が出ていますが、stage I, IIでの治療的意義は低いかもしれないとのこと。・・・私はリンパ節郭清を行われちゃいましたけれどね。

 

また、今後・将来の治療方法としては卵巣がん遺伝子治療や免疫療法、ワクチン療法、ドラッグデリバリーシステムなどが開発されるであろう時期にきているそうです。私たちの受けた治療以上に新しい画期的な治療が出来て「卵巣がんは治る病気」と言われる時代が来ると良いですね!!

 

 

ちなみに。私は抗がん剤治療が終わってから5か月が過ぎました。

昨年、病気が分かってからもう少しで1年。

手術時の傷はだいぶ良くなってきましたが、何せ傷口が大きいので、一年はケアテープを貼っておいた方がよいということで、今もこちらを使っています。

アトファイン Lサイズがギリギリ(時々貼り方によっては傷口がはみ出ちゃうw)の傷跡です。LLというのもあるので、そちらがピッタリの方もいるかもしれませんね。でも、おかげさまで、ケロイド様にならず、比較的綺麗な方かなーなーんて、自画自賛w

 

抗がん剤の副作用としては、足のシビレは相変わらずあります。時々痛いぐらい。

それから着圧ソックスは毎日どんなに暑くても履いていますし、虫刺されなどにも日々気を付けて過ごしています。仕事は普通にしていますよ~。

ケモブレインかな?なんて思うこともありますが、実際はどうだかわかりません。ただたんに忘れやすいだけなのか、ボォっとしているだけなのか・・・(笑)

 

そんなわけで、今日はこの辺で。

今、学会で学んだ漢方についても書き出しているので、近々アップできる予定です!

乞うご期待。なんちゃって!!